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自治体の皆さまへ

都市(まち)をデザインする(4)

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山形県 山形市

▼レールのない時代に主体的に生きる力をつける教育
未来のまちづくりを担う子どもたちの教育にも力を入れています。

▽山形市が進める3つの学び
これまでの成功体験が通用しない、不確実で多様な人生の生き方がある今の時代、いわばレールのない時代を生きていく子どもたちには、自分の人生を自分で考え、自ら一つ一つ選択していく「主体的に生きる力」が必要になります。自ら考えるためには、さまざまな知識が必要ですが、知識だけでなく、他者との対話によりいろいろな考えに触れることや、自ら課題を設定して解決のために行動することも重要です。そうした時代を生きる子どもたちに必要な力をつけてもらうために、山形市が進めているのが「主体的で探究的な学び」「個別最適な学び」「協働的な学び」の3つです。その3つの学びを進めるためには、電子黒板やAI型デジタルドリルソフトの活用が効果的であるとの判断から、山形市ではICT教育に力を入れています。

▽主体的で探究的な学び
3つの学びの中でも、これからの子どもたちに求められるスキルを身に付けるために特に必要なのが、「主体的で探究的な学び」だと考えています。主体的で探究的な学びは、問いを立て、考え、行動する学びと言えます。
これまでの教育は問題を解くことが中心でしたが、これからは、問題を解くだけではなく、自ら課題を見つけることが重要になってきます。自分が感じた違和感、疑問に思ったことの「なぜ」を突き詰めて課題を設定し、解決策を導き出す力が必要になってくると考えています。山形市は、未来ある子どもたちの輝く将来像をイメージし、教育をデザインしています。

▼誇るべき山形市民のデザイン思考
山形市には東北芸術工科大学があることもあって、デザインできる人材が豊富にいます。一方で、伝統工芸など江戸時代から続く流れも多く残っています。例えば、山形鋳物も単なる工業製品として残っているわけではなくて、商品であると同時に作品であり、職人の作家性が色濃く反映されています。
そうしたところに、市民のデザインを大切にするというもともとの素地があると感じています。
そういう歴史的な流れのある中で、最近では、市内のラーメン店主の有志が設立した協議会が「山ラー」というロゴを作成しました。市内のラーメン店でこの赤いのぼりを見かけたことがある方も多いと思います。
市内にある個性あふれる多種多様なラーメンのPRを統一的に行っていくために「山ラー」というキャッチコピーとロゴを作ったわけですが、これもデザイン思考に基づく取り組みだと言えます。
また、昨年10月、地元のスーパーであるエンドーのげそ天がグッドデザイン賞の金賞を受賞しました。金賞は全国に数多くあるグッドデザイン賞の中でも20件しかなく、東北では唯一の受賞となる快挙です。エンドーが市内のデザイン会社と一緒にブランディングを行ってきた結果であり、デザインの力によって山形市の名物がまた一つ増え、魅力が高まった好事例であると思います。
ユネスコが認めた山形市の多様な地域資源。その地域資源の魅力をデザインの力を活用して高めていく。そうした取り組みをさまざまな主体が行うことで、山形市はもっと文化の香る豊かなまちになるのではないかと思っています。

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